アメリカの輸入業者が中国製の自動車タイヤに安全性の問題があるとして、およそ25万本をリコールしました。その一方で、安全基準の甘さが指摘されています。
これは去年8月、アメリカ・ペンシルバニア州で横転事故を起こしたバンの写真です。2人が死亡した事故の原因とされているのが、真っ二つに裂けたこの中国製のタイヤでした。
この中国製タイヤの断面に「ガムストリップ」と呼ばれる部品が入っていなかったことが、今回の問題の発端となりました。
「ガムストリップ」とは、タイヤの接地面と内部にあるベルトをつなぎとめ、タイヤの断裂を防ぐ、いわば“安全装置”。「車社会アメリカ」では、7年前にブリヂストンの子会社のタイヤに関連するとみられる事故が問題化して以来、ガムストリップの装着が一般化しています。
しかし、政府の安全基準では必ずしもこれを求めていないのが現状で、「基準は満たしている」と主張する中国側の反論の根拠になりました。
「このタイヤはアメリカ政府の基準を満たしているが、それが必ずしも安全なタイヤにつながっている訳ではない」(タイヤを輸入したフォーリン・タイヤ・セールズ社の弁護士ラリー・ラビン氏)
問題のタイヤを輸入したアメリカの業者は9日、ガムストリップの加工がタイヤに欠けていたとして、およそ25万5000本のリコールに踏み切りました。
生活用品のほとんどを中国製に頼るアメリカでは、この問題を機に輸入する側のチェック態勢も改めるべきだという声が強まりそうです。(10日09:40)
[日语原文阅读]生活:中国製タイヤ、米で25万本リコール
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