日本では年明け、防衛庁が「防衛省」に昇格するのを機に、国際貢献が一層強く求められそうですが、一足早く国外派兵を拡大させたドイツでは、軍のスキャンダルをきっかけに、派兵のあり方が問い直されています。
頭蓋骨を手に持ち、得意げに写真に収まるドイツ兵。アフガニスタンの首都カブール近くの埋葬所で、複数のドイツ兵が人の大量の骨を持ち出し、もてあそんでいる写真が今年10月、次々と明らかになりました。
拳銃をつきつけたり、「骨」と並べて文字を作ったり。中には、頭蓋骨と自分の性器を並べて撮影した異常な写真まであり、ドイツ社会を騒然とさせました。
「このドイツ兵の行為は、いかなる言い訳もできない!ショッキングで吐き気をもよおす内容だ」(ドイツユング国防相)
ベルリン郊外の町ポツダムにある、ドイツ軍の海外派遣指令本部です。今回の事件は、ここにも大きな衝撃を与えました。
湾岸戦争で日本と同じく多国籍軍に参加せず、アメリカなどから厳しく批判されたドイツ。しかし、その後、憲法改正の論議などを経て、現在ではアフガニスタンのほか、アフリカや中東など10か国に、およそ9000人の兵士を送っています。
こうした国際貢献の拡大に伴い、今年の春までアフガニスタンに駐留していた元兵士は、多くの兵士が精神的ストレスで苦しんでいると重い口を開きました。
「(国際貢献では)我々兵士は死と直面しなければなりません。今回の事件は言い訳できないですが、普通ではありえない行動を兵士が取ってしまうのも理解できます」(元兵士ヒルデンブランドさん)
アフガニスタンでは、南部を中心に武装勢力タリバンによる攻撃が続いていて、治安が悪化しています。ヒルデンブランドさんは、兵士の現状を政府や軍のトップはもっと知るべきだと批判します。
「(政治家や軍のトップは)兵士が抱えている問題を考慮しない。これは構造的な欠陥です」(元兵士ヒルデンブランドさん)
[日语原文阅读]国际:独軍、不祥事で岐路に立つ国外派兵
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