30日に行われる朝鮮に対する金融制裁問題をめぐる交渉に出席するため、アメリカのグレーザー財務次官補代理は28日、北京を訪れました。この交渉は朝鮮半島の核問題をめぐる6カ国協議のアメリカ代表団のヒル団長と韓国代表団のキム・ゲグアン団長がベルリンでの会談後で行なうものであり、また、各方面が6カ国協議再開のために努力しているさなかということもあり、金融制裁問題で大きな進展を収めることが出来るかどうかが注目されています。
朝鮮に対するアメリカの金融制裁問題は6カ国協議の主な障害の一つです。2005年10月、アメリカは偽ドル札の製造やマネーロンダリングの疑惑でマカオ匯業銀行(BANCODELTAASIA)に設けた朝鮮の口座を凍結しました。このため、朝鮮は13ヶ月にわたって6カ国協議をへの参加を拒否しました。去年12月、北京での第5回6カ国協議の第2段階会談の期間中、朝米の金融専門家は北京で会談しましたが、成果を収めることはできませんでした。朝鮮は「アメリカが金融制裁を解除しないかぎり、核廃棄を考慮することは出来ない。これは、米朝間の相互信頼を確立し、共同声明の履行のために良好な雰囲気をつくるためだ」としています。
朝鮮が核実験を行なった後、国際社会が課した厳格な制裁はすでにいくつかの効果を生じさせた一方、長期にわたって行われてきたアメリカの朝鮮敵視政策も非難を受けました。このほど、アメリカの立場に微妙な変化が起きたことはこれと関わりがあるでしょう。その変化には、次のいくつかの点があります。
ヒル団長とキム・ゲグアン団長は今月16日から18日までベルリンで会談しました。会談後、ヒル団長は「ベルリンでの会談は非常に有益なものだった。次回の6カ国協議の成果を望んでいる」と述べました。キム・ゲグアン団長は「会談で一定の協議を達成した。しばらく後には、この協議の具体的な内容が明らかになるだろう。訪問で、アメリカやロシア、中国、韓国の代表と『共同声明』の履行について話し合ったが、多くの問題で意見が一致し、その成果に満足している」と述べました。
韓国のマスメデイアは「朝鮮に6カ国協議の『9、19共同声明』を履行させるため、アメリカはこのほど、朝鮮に対する金融制裁を緩和させる決定を行なった。これによって、朝鮮はある程度譲歩する可能性がある。そのなかにはヨンピョン(寧辺)の核施設の運転を一時停止し、国際原子力機関の査察を受けることも含まれる」と見ています。
日本の「読売新聞」の報道によりますと、アメリカは朝鮮がマカオ匯業銀行に設けた口座の一部の資金の凍結解除を検討しているということです。アメリカ財務省は凍結された2400万ドルのうち、1300万ドルが合法的なものだと認めており、アメリカ国務省は、その凍結解除に向け財務省を説得しているということです。
世論は、「アメリカは2400万ドルのうち、1300万ドルの凍結解除を行なえば、まもなく行なわれる朝米金融交渉に駆け引きの可能性が残される。しかし、朝鮮の立場は、凍結の部分解除ではなく、その全面解除である。このため、交渉が順調に進められることはないだろう」と見ています。
[日语原文阅读]政治:朝米、金融問題について交渉へ
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