アメリカ大統領選挙まであと1週間。世論調査ではオバマ候補が優勢ですが、最後のカギを握るのは「人種問題」といわれています。
「一緒にこの国を、そして世界を変えましょう」(民主党・オバマ候補)
マケイン候補を引き離し優勢な戦いを続けるオバマ候補。しかし・・・
「選挙の翌朝起きたら(オバマ氏が敗れていて)、国を出なくちゃと考えている夢を見たんです」(ローラさん)
激戦州の1つ、バージニアに住む小学校教師のローラさんは今週、初めて選挙運動のボランティアに駆けつけました。
「オバマ陣営のものですが、投票する候補は決まりましたか?」(ローラさん)
「他人には話しません」(住人)
ローラさんは、オバマ候補優勢を示す世論調査が素直に信じられないと言います。
「アメリカにはまだ人種差別が存在します。日々の暮らしの中で感じなくてもです。バージニア州は特にそうです」(ローラさん)
1982年のカリフォルニア州知事選挙。直前の世論調査でリードしていた黒人候補のブラッドリー氏が、白人候補にまさかの敗北を喫しました。
「人々は世論調査に対して真の気持ちではなく、“こうあるべき”と思うことを答える傾向があります」(ジョージタウン大学・ウェイン教授)
白人たちがいざとなると黒人への投票をためらう「ブラッドリー効果」と呼ばれる現象が、今回の選挙でも起きるのでは?という見方があるのです。
「オバマ氏は政府を巨大化し、権力を強めて、税金を上げようとしています」(共和党・ペイリン副大統領候補)
ペイリン候補の集会に集まった支持者は、見渡す限りほぼ100%白人です。オバマ候補の名前が出されるたびに大きなブーイングが起こっています。
「(Q.なぜ共和党支持に?)オバマ氏の政策にはまったく賛成できないからです」(ペイリン氏集会参加者〔元・民主党支持者〕)
バージニア州の世論調査でマケイン候補を8ポイントリードしているオバマ候補。しかし、白人だけをとると12ポイントも下回っています。
「投票する候補は?」(ローラさん)
「もちろんオバマです」(住人)
オバマ候補の支持者からこんな声も聞かれました。
「私の職場の男性たちは(民主党員でも)オバマが黒人だから投票できないと言っています」(オバマ候補支持者)
マケイン候補の集会会場前では・・・
「マケインは不法滞在者のオバマとは違う!」(マケイン候補支持者)
多くの人がオバマ大統領誕生に期待を膨らませる一方で、不安を募らせる人々が存在することも事実です。
「(白人ばかりの)この行列を見て『人種は問題じゃない』と言えますか。彼らが認めようが認めまいが、人種は関係あるのです」(オバマ候補支持者)
永遠のテーマである人種問題。1週間後の投票で、人々はどのような答えを出すのでしょうか。(28日17:30)
『日语阅读』国际:米大統領選、最後のカギは「人種問題」
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