大地震があったハイチで、アメリカ人が３３人の子供を連れ去ろうとした事件で新たな証言です。子供たちの親がＪＮＮの取材に応じ、子供たちは連れ去られたのではなく、「親が無償で提供した」などと証言しました。
「大地震の２日後に（アメリカ人が）バスでやって来たわ。自ら子どもを渡したの」（連れ去られた子供の母親）
ＪＮＮの取材に応じたのは、ハイチでアメリカ人に連れ去られたとされた５人の子供の親です。誘拐などの罪で起訴されたアメリカ人１０人は、当初、「子供たちは震災で親を亡くした孤児だ」と主張していました。
しかし、ＪＮＮが子供たちの自宅がある村を訪ねると、子供たちの親だという人が複数現れました。
「この貧しい環境では食料も満足にない。子どもたちには将来の希望もない。（アメリカ人は）子どもたちを助けると約束してくれたから、親たちは喜んで子どもを差し出したのよ」（連れ去られた子供の母親）
アメリカ人のグループはこちらの場所にバスを停めて、子どもたちを乗せていったということです。その子どもたち、涙１つ見せることなく、手を振ってこの場を去ったということです。
事件の背景には、貧しい家庭の親が子供の将来を悲観し、富裕層の家庭へ養子に出すというハイチ特有の習慣があります。これを利用したアメリカ人らは、あくまで「人道目的」と主張していますが、ハイチ政府は、震災後の混乱期に書類無しで国境越えを試みるなど、違法性は明らかだと、強く非難しています。
アメリカなどの海外メディアは、「行過ぎた人道支援」との見方で伝え、援助のあり方を見直す議論にもなっています。（10日10:03）
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