伊豆諸島の八丈島近海で８人の乗った漁船が転覆した事故で、漁船に積まれていた遭難信号を出す装置の電源が入っていなかったことが分かりました。海上保安本部は、漁船が大きな波を受けて装置の電源を入れる間もなく、短時間で転覆した可能性もあるとみて調べています。
３０日も２９日に引き続き、巡視船やヘリコプターに加えて仲間の漁船１５隻がさらなる奇跡を信じて、まだ行方がわからない乗組員４人の捜索活動を続けていますが、発見につながる手がかりは見つかっていません。
第三管区海上保安本部が、２９日、「第一幸福丸」の船体を捜索した結果、船が沈没や転覆した時に遭難信号を発信する装置「イパーブ」が操舵室の中にあり、電源が入っていなかったことが確認されました。
イパーブは規則で外洋で操業する漁船に搭載が義務付けられていますが、幸福丸は対象外で、自主的に装備していました。
「一気に横波が来て転覆した時にはそんな（持ち出す）余裕はない」（旅客船の乗務員）
三管本部は第一幸福丸がイパーブを操作する間もなく、短時間で一気に転覆した可能性もあるとみて調べています。
また、奇跡的に救助された３人の乗組員ですが、病院関係者によりますと、体調は回復に向かっているということで、血液検査などの結果が判明する３０日午後に退院の正式なタイミングを決定するとしています。（30日11:30）
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