『日语学习』国际:タイのタクシン前首相夫妻に逮捕状

国有地の不正取引に関わったとして起訴され、現在イギリスに滞在中のタクシン前首相夫妻に対し、タイ最高裁が逮捕状を出しました。
１１ヶ月前にクーデターで政権の座を追われたタクシン前首相、刑事被告人として呼ばれた今回の公判には、姿を見せませんでした。
タクシン夫妻は、首相時代の２００３年に行ったバンコク市内の国有地売買をめぐり、閣僚や配偶者が政府機関と取引することを禁じた汚職防止法に違反したとして起訴されていました。
１４日に開かれた初公判で、タクシン夫妻の弁護士は、タイに帰国した場合の安全が保障されていないとして、裁判の延期などを訴えました。
しかし、タイ最高裁は、夫妻が出廷命令に応じず、逃亡の意図もあるとして、検察側が求めていた逮捕状の請求に同意するとともに、来月２５日に再度、公判を開くことを決定しました。
「我々は暫定政府が権力を手放すまで待つしかない。我々の証人なってくれる役人は１人もいないということだ」（タクシン前首相の弁護士）
タクシン前首相は、去年９月のクーデター後、イギリスなどで事実上の亡命生活を送り、一度もタイに戻っていません。その後も実権を握った暫定政府によるタクシン派の封じ込めが続いていますが、前首相に逮捕状が出されるのは初めてとなります。
今後は、タイ政府の身柄引き渡し要求に対し、タクシン夫妻の滞在国がどう対応するか注目されます。（15日09:36）