「~は~が~」構文について

2011-03-27 15:13:32 花子山田形容
は鼻が長い」に代表されるいわゆる「~は~が~」構文がよく議論されるのは、西洋の言語に機械的に翻訳できないからだ。 「この文は、主語が2つあっておかしい」とか「だから、日本語は特殊だ」などと言う人がいるが、それは間違いである。その人だって「この文主語2つある」と言っているじゃないか。 「~は~が~」構文は、日本語の主要な文型の1つである。決して例外的な文型ではない。 学というものは、万国共通の普遍的なもので、ある民族の特徴を持つものではない。コンピュータ言語も、英語の国で発達したものとはいえ、普遍的なものであろう。その一つとして「スタイルシート(stylesheet)」を取り上げてみよう。スタイルシートに h1{color:red} こう記すと、一番大きい見出しの文字の色が赤になる。この記述は 「h1赤い」 と読めるではないか。 来「~は~が~」構文で表されることがらは、民族の別によらない普遍的なものなのではないか。日本語ではそれを「は」と「が」で表現するが、西洋の言語(コンピュータ言語でなく自然言語)では、これを統一的に表す構文がなくなってしまった。 The elephant is nose is long. は非文(正しくない文)となったのである。 「象は鼻が長い」にあたる一番妥当な英文は The elephant has a long trunk. である。イタリア語では L' elefante ha un naso lungo. となる。 have (持っている) で訳している。 コンピュータ言語のスタイルシート風に表せば、 Zoo{Hana:Nagai} となろう。 「~は~が~」構文の文の種類とその分類   日本語教育の初歩のレベルの例文から形式的に「~は~が~」という構文を取るものを集めて分類すると、およそ次のようになる。 形式的と言っても「 もうすぐ帰ってと。」のように主述関係が2組認められるようなものは除く。
「父」に対する述語は「言った」であり、「太郎」に対する述語は「来る」である。
    「AはBが~」において、AとBとの間になんらかの関係があるもの
BがAの部分 象は鼻が長い。うさぎは耳が長い。きりんは首が長い。
私は頭が痛い。私は歯が痛い。私はお腹が痛い。
私はお腹がすいた。私はのどがかわいた。 BがAの持ち物 花子は着ているものがはでだ。
花子は飼っているネコが死んだ。 BがAの生産物 花子はかいた絵が売れた。
花子は声がきれいだ。
花子は字がきれいだ。 BがAの側面 富士山は高さが 3776m だ。 その他 山田さんは奥さんが病気だ。(親族関係)
山田さんは部下が事故に遭った。
    述語「~」がガ格の対象[B]を取るもの
欲求の対象 私は新しいカメラがほしい。私は水が飲みたい。 すき・きらいの対象 私はねこがすきだ。花子は犬がきらいだ。 可能の対象 花子はピアノがひける。花子は英語が話せる。 その他 私は犬がこわい。(「こわい」対象)
    上手・下手、得意・不得意の表現
上手・下手の表現 花子は歌が上手だ。花子は絵が下手だ。 得意・不得意の表現 花子は英語が得意だ。花子は水泳が不得意だ。
    Aが主題化変形されたもの
ヲ格の主題化 その仕事は私がします。 時の主題化 今日は雨が降っている。きのうは雪が降っていた。
    所有の表現
[所有者](に)は [所有物]が ある 私(に)はお金がある。
花子(に)は自動車がある。
    経験の表現
~は ……た ことが ある 私は北海道に行ったことがある。 これらの「~は~が~」構文の文を西洋の言語に翻訳しようとすると、一通りの方法では翻訳できない。一つの公式を機械的に当てはめることができないのである。特に、1「象は鼻が長い」は、先に述べたように The elephant has a long trunk. となるが、この直訳は「象は長い鼻を持っている」、もう少し日本語らしくしても「象には長い鼻がある」となるだけで、「象は鼻が長い」を的確に訳したことにはならないのである。 だから、問題になるのである。 これ以外は「~は~が~」構文であるという認識は少ないであろう。それは、それぞれ的確で機械的な翻訳の方式が決まっているからである。   解説と問題点   一般の読み物、新聞などにはもっと多彩な「~は~が~」構文の文が見られる。それらを検討する前に、上に述べたことの解説と問題点を考えてみよう。 1「AはBが~」において、AとBとの間になんらかの関係があるもの AとBとのいろいろな関係を典型的で分かりやすい「部分」から始め、「持ち物」「生産物」「側面」および「その他」に分ける。「部分」~「側面」の分け方のヒントは高橋太郎先生から得たものであるが、次の解説は吉川の責任によるものである。 1-1「部分」について 「象は鼻が長い」という文で「鼻」とは「象の体の一部分」を指す。「象」と「鼻」との関係は「全体」と「部分」との関係である。つまり「AはBが~」という文型において「BはAの部分」という関係になっている。 この文に関して必ず学生に質問されるのは、「象は鼻が長い」と「象の鼻は長い」とはどう違うのか、というものである。 前者はについてウンヌンするもの
後者は象の鼻についてウンヌンするもの で全く違うものなのに、西洋の言語で考えると、その違いがよく分からないのだろう。 「私は頭が痛い、私は歯が痛い、私はお腹が痛い」の類は「象は鼻が長い」の類とは異なる。確かに、「頭、歯、お腹」は「私」の体の部分であるが、上の文型とは次のように異なっている。 「象は鼻が長い」では「長い」は属性形容詞で、象の属性ではなく、(象の)鼻の属性を意味している。これに対して、「私は頭が痛い」では「痛い」は感情形容詞(もっと正確には感覚形容詞)で「私」の感じる感覚を意味している。「頭」はなにかと言うと、これは感覚を感じる部位(これを箇所と言うことにしよう)である。つまり、「痛い」という感覚形容詞は「箇所」を補語として要求することばだ、と考えられる。 次に「私はお腹がすいた、私はのどがかわいた」の類はどうか。「お腹、のど」が「私」の体の部分であるという点では上と同じであるが、「私は……すいた」「私は……かわいた」と、Bを省略して言うことはできない。これは「お腹がすく」「のどがかわく」の結びつきが強いからである。
 

|||Bが省略できる場合もある。BがAの代表的な部分の場合である。 花子は顔がきれいだ。 → 花子は きれいだ。 「花子は顔がきれいだ」は「花子は きれいだ」とも言える。「花子はきれいだ」と言えば、普通は「顔がきれいだ」の意味である。このように代表的な部分[この場合は「顔」]は省略できる。 以上をまとめると次のようになる。 象は鼻が長い。 「長い」は属性形容詞。(象の)鼻の属性を表す。 私は頭が痛い。 「痛い」は感覚形容詞。「私」は感覚を感じる主体、「頭」は感覚を感じる箇所を表す。 私はお腹がすいた。 「私は……すいた」とは言えない。
「お腹」と「すく」の結びつきが強い。 花子は顔がきれいだ。 「花子は きれいだ」と言える。
代表的な部分は省略可能。 れまでの問題点は次の通り。
    属性形容詞と感覚形容詞の区別はこの「~は~が~」構文にとって有効な区分なのか。 「結びつきが強い」ことはどう証明されるのか。 「省略可能な代表的な部分」とは「顔」の他に何があるか。
      象は体が大きい。 → 象は 大きい。 この例では「体」も省略可能。 1-2「持ち物」について 「花子は着ているものがはでだ」という文で「着ているもの」は花子の体の部分ではない。「持ち物」である。この場合、実質的な所有権とは関係なく(つまり、借り物であっても)文法用語としての「持ち物」である。 1-3「生産物」について 「花子はかいた絵が売れた」という文で「かいた絵」というのは花子の制作したものという意味である。「生産物」である。このような「生産物」は「持ち物」になりうる。 「花子は声がきれいだ」という文で「声」は花子の部分ではない。声は声帯、呼気などによって作り出されるものである。これも「生産物」の一種である。 「花子は字がきれいだ」という文で「字」というのは花子が書いた文字のことである。これも「生産物」と考えられる。「声」や「字」は「持ち」とは言えない。この点で「生産物」というカテゴリーを設ける必要性があるのである。 1-4「側面」について 「富士山は高さが 3776mだ」という文で「高さ」というのは富士山の部分でも、持ち物でも、生産物でもない。このようなものを「側面」と言う。「大きさ、重さ、面積、体積、温度」などは側面である。 1-5その他 「山田さんは奥さんが病気だ」という文で「奥さん」とは「山田さんの奥さん」のことである。この場合、夫婦の関係、広い意味では親族関係である。(持ち物ではない!!) 「山田さんは部下が事故に遭った」。親族関係以外でも、このような文がある。 「山田さんの奥さん」「山田さんの部下」と言った場合、その「奥さん、部下」は相対名詞の一種である。相対名詞とは、基準が定まらないと指示対象が定まらない名詞のことである。その基準とはこの場合「山田さん」である。 一般に「AのB」という言い方でBが相対名詞の場合、その基準はAで示される。そして、この「の」は基準を表す「の」 と言われる。 この項の問題点 ここではBが相対名詞の場合だけを取り上げたが、AとBとの関係はそれだけではないだろう。この他にどんな関係があるかが大きな問題点である。   2述語「~」がガ格の対象を取るもの 次に、述語「~」がガ格の対象を取り、結果として「~は~が~」という形になるものをまとめる。 2-1欲求の対象 「私は新しいカメラがほしい」という文で「(新しい)カメラ」は「ほしい」の対象である。「私は水が飲みたい」という文で「水」は「飲みたい」の対象である。「ほしい」「~たい」(動詞のタイ形「飲みたい、読みたい、見たい」など)は欲求を表している。つまり、欲求の対象のガ格を取る述語とは形容詞「ほしい」および動詞のタイ形である。 なお、欲求の対象をヲ格で表すこともある。 私は新しいカメラほしい。 私は水飲みたい。 英文法の知識が日本語の話し手の中に浸透したせいか、目的語=対象は「を」で表すものだ、という考えの者が現れたからと思われる。また、実際の文では「~を~たい」という言い方の方が「~が~たい」という言い方より圧倒的に多い。 2-2すききらいの対象 「私はねこがすきだ」「花子は犬がきらいだ」という文で「ねこ」「犬」はすききらいの対象である。すき・きらいの対象のガ格を取る述語とは形容動詞「すきだ、きらいだ」である。 なお、「~ すきだ」「~ きらいだ」と、すき・きらいの対象をヲ格で表す言い方も、上に述べた理由から、最近よく見られる(聞かれる)ようになった。 2-3可能の対象 「花子はピアノがひける」という文で「ピアノ」は「ひける」の対象である。「花子は英語が話せる」という文で「英語」は「話せる」の対象である。「ひける」「話せる」は可能を表している。つまり、可能の対象のガ格を取る述語とは動詞の可能形(「ひける、話せる、見られる」など)である。 なお、上に述べた理由から、可能の対象もヲ格で表される例が見られる(聞かれる)ようになった。 花子はピアノひける。 花子は英語話せる。 2-4その他 「私は犬がこわい」という文で「犬」は形容詞「こわい」の対象である。このようにガ格の対象を取る形容詞がある。ガ格の対象を取る形容詞には「こわい」以外にどんなものがあるだろうか。 「こわい」は感情形容詞で人称制限がある。三人称を主語とするときは動詞「こわがる」を用いる。その場合、対象はヲ格で表される。 太郎は犬をこわがる。 この節の問題点
      ガ格の対象を取るとされてきた形容詞、形容動詞、動詞のタイ形、動詞の可能形もヲ格で言い表されることが多くなった。このガ格とヲ格のせめぎ合いをどう考えたらよいか。 (再掲)ガ格の対象を取る形容詞には「こわい」以外にどんなものがあるか。 3上手下手、得意不得意の表現 この表現で用いられる述語は「上手だ、下手だ、得意だ、不得意だ」という形容動詞である。「花子は 上手だ」と言われると、「何が?」と問い返したくなる。「花子は歌が上手だ」のように「歌が」を補わなければならない。そういう意味で「歌」はある種の補語である。「下手だ、得意だ、不得意だ」についても同じことが言える。 しかし、「歌」など補うことばを対象と言えるかどうか。対象とは考えられない。「花子は歌上手だ」などとは決して言わない。つまり、これらの形容動詞は対象を取る述語とは考えられない。それで、前項(ガ格の対象を取る述語)とは別に1項目設ける必要があるのである。 4Aが主題化変形されたもの 主題化変形とは補語の一つを主題として取り出すことである。具体的にはその補語に「は」を付けて文頭に持って行く。例えば「私がその仕事をします」という文で「その仕事」を主題として取り出すとすると、「その仕事は私がします」となる。「今日雨が降っている」という文で「今日」を主題として取り出すと、「今日は雨が降っている」となる。この文では元々「今日」が文頭にある。 (詳しくはp.12~13) そうして、見かけ上は「~は~が~」となる。 5所有の表現 所有の表現は「[所有者] [所有物] ある」という構文を取る。これを所有文と言う。 私にお金がある。 所有者を主題化すると、 私にはお金がある。 となる。この「に」は時に省略されて 私はお金がある。 となる。それで、見かけ上は「~は~が~」という文になる。 所有文と存在文との違い 「ある」を述語とする文には事物の存在を表す存在文がある。存在文では存在場所は「に」で表される。 公園にブランコがある。 存在場所を主題化すると 公園にはブランコがある。 となる。存在文ではこの「に」は略されないので、「~は~が~」の文とはならない。この点で存在文は所有文と異なるのである。 公園はブランコがある。 と言えないこともないが、こうなると、これはもはや存在文ではなくなる。「公園」は存在場所を表しているとは言えないからである。 6経験の表現北海道に行ったことある。 この文を「~は~が~」構文の文と思う人はいないだろう。しかし、頭の固い学生はそう思うかもしれない。 この文は複合述語を説明するときに使う例文である。「~たことがある」という形で経験を表す一種の語尾と見なすのである。 


      日语小知识:日语里“ 国字”这个词有三个意思一是日本国的文字, 包括汉字、假名等用来记录日语的所有的文字符号;二是日本人创造的假名, 以区别于由中国传去的汉字;三是日本人模仿汉字的结构自造的汉字。但日本人通常所说的“ 国字” , 是指第三种意思。这时的“ 国字”又叫“ 和字” 、“ 俊字” 、“ 和俗字” 、“ 和制汉字”等。在这里要讨论的问题就是第三种意思的“ 国字”。
      日本留学网https://riben.m.liuxue86.com友情提醒,点击日本留学网考试频道可以访问《「~は~が~」構文について》的相关学习内容。
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