水俣病の未認定患者の救済問題が大きく動きはじめました。水俣病未認定患者が国などに損害賠償を求めた訴訟で、熊本地方裁判所は２２日、和解を勧告し、未認定患者の救済内容が、今後、和解協議の中で詰められることになりました。
２０１８人の水俣病未認定患者が、原因企業チッソだけでなく、行政責任が確定している国と熊本県を相手取り損害賠償を求めている訴訟で、熊本地方裁判所は２２日、和解を勧告しました。
「すべての水俣病被害者の救済、それに向けた闘いが、新たな闘いであると感じています」（原告・大石利生団長）
水俣病未認定患者の救済については、去年の解散・総選挙前の駆け込みで特別措置法が成立しましたが、一時金の額や対象者の判定方法など、肝心の救済内容は定められておらず、事実上、この和解協議で決まる見通しです。
水俣病問題は１５年前、政治決着によって手足に感覚障害がある未認定患者１万人が、一時金２６０万円などの救済措置を受け、最終解決したとみられていましたが、５年前の最高裁判決で国の認定基準の誤りが指摘されたことから、認定申請者が急増し、再び政治決着が模索されていました。(22日11:36)
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