アメリカ政府は２２日、巨額の公的資金による支援を受けているＡＩＧなど７社の役員らの今年の報酬を、去年の半分以下にするよう正式に命じました。
報酬制限の対象になったのは、今なお公的資金を受けているＡＩＧ、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ＧＭ、クライスラーなど７社で、それぞれ上位の２５人の高額報酬者について、去年に比べ給与を９０％以上カット、ボーナスを含めた総額では５０％以上カットすることが命じられました。
ボーナスについては、現金での支給を禁止して、株式で支給、しかも直ちには現金化できない仕組みを求めていて、長期的な会社の業績を考慮するような報酬体系に変えることを目指しています。
「巨大金融企業が納税者の支援で成り立っていながら、巨額のボーナスを自分たちに支払うなんてアメリカの価値観を損ねるのと同じだ」（オバマ大統領）
金融機関の巨額のボーナスに対しては、経済危機を招いた金融界のいわば非常識の象徴として議論されてきました。今回の報酬制限は既に公的資金を返済した企業には適用されないことから、中央銀行のＦＲＢは同じ２２日、歩調を合わせる形で今後、銀行の報酬について監督を強めていくことを明らかにしており、未曾有の経済危機は、自由の国アメリカでの報酬制限という異例の出来事をもたらしています。(23日11:38)
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