木村剛前会長の逮捕からおよそ２か月の経営破綻です。銀行法違反の疑いで警視庁の強制捜査を受けた日本振興銀行が、大幅な債務超過に陥る見通しとなったとして１０日朝、金融庁に経営破綻を申請しました。
「中小企業を元気にしたい」というスローガンのもと、設立されてから６年。木村前会長の逮捕などで揺れた日本振興銀行が、ついに破綻に追い込まれました。
「本当に今回の事態を招きまして大変ご迷惑かけます。今後の再建に向けて、また銀行を応援していただければ」（日本振興銀行江上剛社長）
日本振興銀行では今年７月、金融庁の検査を妨害したなどとして木村前会長らが逮捕された後、預金の流出が続いていました。さらに、不良債権処理を積み増したことによって１８７０億円の債務超過に陥る見通しとなったことから自力での再建を断念し、１０日朝、金融庁に破綻処理を申請しました。
これを受けて、金融庁は初めて預金の払い戻し額を元本の１０００万円とその利息までに限定する「ペイオフ」を発動することを決めました。
「今般、このような事態に至ったことは誠に遺憾である」（自見庄三郎金融相）
具体的に、いくら預金がカットされるのかは今後、資産の中身を洗い直した上で決まることになりますが、１０００万円を超える元本などを持つ預金者は全体の３％、３５６０人にのぼるということです。
「だまされた。（預金額は）倍ぐらいね、ペイオフの。１０００万パア」（預金者）
今後は預金保険機構の管理下で処理が進められることになりますが、預金者への影響がどの程度出るのか、政府の慎重な対応が求められます。（10日11:51）
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