政府は、今月の月例経済報告で、「景気は着実に持ち直してきている」とした現状判断を据え置き、３か月連続で同じ表現としましたが、先行きへの懸念も示しています。
「だんだん巡航速度になっていったのではないかなと。その意味では、『景気の着実な持ち直し』というのが、言葉どおりになってきたのではないかなと」（荒井聰経財相）
今月の月例経済報告は、景気の現状について、６月以来３か月連続で「景気は着実に持ち直してきており、自律的回復への基盤が整いつつある」と表現し、判断を据え置きました。
しかし、リーマンショックの落ち込み以降、回復傾向が続いていた企業の生産については、「持ち直し」から「緩やかな持ち直し」へ、表現を１年７か月ぶりに下方修正しました。
さらに、景気回復の大きな要因となってきた中国の景気についても「拡大テンポがやや緩やかになっている」と表現を引き下げ、輸出の伸びが鈍っていることや、エコカー補助金が打ち切られることなどを先行きの懸念要素と指摘しています。
こうした状況について荒井経済財政担当大臣は、「回復が巡航速度になってきた」と表現しましたが、内閣府の津村政務官は、今後、海外経済がさらに減速すれば、「一時的に景気が踊り場入りするリスクが生まれつつある」と危機感を示しています。（10日15:31）
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