TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉参加に関するニュースです。政府・与党内では認識の違いが浮き彫りになり始める一方、反対派の動きは民主党だけでなく野党・自民党にも広がっています。
「本来であれば、我々はこんなところで座り込みをやる場合じゃないんです。皆さん、農作業忙しいはずなんです。農業だけではない、地域を守るために、明日に向かって座り込みをします」
夕方、衆議院の議員会館前にJA青年部のメンバー100人以上が集まり、政府のTPP交渉参加に反対する徹夜の座り込みを始めました。JAは与野党の議員に反対を呼びかけており、賛同者は350人を超えたとしています。
反対の動きは、民主党内だけにとどまらなくなってきました。
「APECまでになぜ明らかにしないといけないか。バスに乗り遅れるなんていう議論とは全く違うんだ」(自民党・武部勤元幹事長)
「大いに議論をして、結論は反対であると、早急に党としてとりまとめることがなければ、 自民党は無責任だと言われますよ」(自民党・町村信孝元官房長官)
自民党は25日午後、反対派議員が集会を開き、TPP交渉参加の断念を求める決議を採択し、谷垣総裁ら執行部に申し入れを行いました。
一方、交渉参加への意欲を滲ませる野田総理の周囲も足並みが乱れ始めました。
「(Q.途中からの離脱について?)簡単な話じゃないと思います。そういうことが起きたときにどういう国益を損なうのかということを、よく考えないといけない」(玄葉光一郎外相)
これまで、民主党の前原政調会長や藤村官房長官らは、TPP交渉が「決裂した場合には離脱もありえる」という認識を示してきましたが、玄葉外務大臣は、交渉参加後の撤退の可能性について否定的な見方を示したのです。
「一般論として離脱はありえるんです。過去にもあります」(藤村修官房長官)
これに対し藤村長官は、自らの発言は一般論であることを強調して足並みの乱れを否定しましたが、民主党内の意見集約を急ぐあまりに、閣内や執行部の間に対応の違いが露呈しました。
「若い1回生の皆さん方は、離党も覚悟してる方もいらっしゃるようです」(民主党・山田正彦前農水相)
こうした中、反対派の山田前農水大臣は、「政府が交渉参加に乗り出した場合は党が分裂する」として、対決姿勢を崩しません。民主党の反対派の中には、自民党などの他党との連携を求める声も強まり始めるなど、日に日に緊張感が高まってきています。(25日16:49)
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