命を懸けろ-。阪神・新井貴浩内野手(34)が12日、鹿児島県内の最福寺で精神修行の護摩行を行った。池口恵観法主(76)から「死にものぐるいで取り組みなさい」と「勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)」の言葉を授かった。阪神移籍5年目、7年ぶりのリーグ制覇へ、全身全霊をかける。
心が折れそうになる。遠のく意識の中で、懸命に真言を叫び続けた1時間21分。己と向き合った。新井の顔は紅潮し、袈裟(けさ)は所々が焦げて穴が空いていた。立ち上がると足もとは、揺らいだ。体の火照りも冷めぬまま、汗をしたたらせ、懸ける思いを語った。
「今までで一番、火が強くて熱かった。全身がしびれるというか、言葉にできない感覚。本当にきつかった。恵観先生に『人の3倍4倍やるんだ』といわれた。1年のシーズンでは(調子が)悪いときの方が多い。そういうときの心の支えになる」
高さ3メートルにも及ぶ炎。昨年よりも狭い本殿での荒行は煙がこもり、息が苦しくもなった。池口法主は9度目となる行に、ある願いを込めた。
「死にものぐるいでやらないとファンに喜んでいただけない。『勇猛精進』という言葉をかけたんです。命がけで頑張っていけということです」
打率・269、17本塁打。93打点で打点王のタイトルも獲得した。しかし、心の師は虎党が求める4番の役割を果たし切れていない、さらなる精神鍛錬が必要と見抜いていた。
「自分で限界をつくる。それではダメ。自分との戦いを制していいプレーをしてほしい。新井が(チームを)引っ張っていかないといけない」。主砲の重責は理解している。だからこそ、乗り越えるために毎年、厳しい修行をしている。
2泊3日で3度の行をする。虎の4番は「覚悟を決めないと臨めない。毎回、怖いと思っている。でも、この行をやらないと自分から逃げてしまいそうになるから」と取り組む。決して器用で華麗なプレースタイルではないことは分かっている。だから気持ちの強さが、より重要だと思い知っている。
「負けない、負けないと思ってやる。『もうダメだ』から『まだ(くじけては)ダメだ』になる。自分にとってもファンのみなさんにとっても記憶に残るシーズンにしたい」
優勝しかない。己の存在価値と4番の責任をかける。勇猛精進したときに、7年ぶりの栄冠が見える。
实用单词解析:
◆勇猛 (ゆうもう): 勇猛.
◆覚悟(かくご) : 精神准备;决心(決心すること).
◆栄冠 (えいかん) :荣冠,荣誉;胜利
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