中国が人民元相場の弾力化を発表してから人民元が対ドルで高値を更新しましたが、変動額が小幅なことから、アメリカ政府は今後の実行がより重要との姿勢を強めています。
「我々は明らかに中国の行動に勇気づけられました。そして進展を監視しています。実行こそがカギですし、我々はそれを注視します」（バードン副報道官）
ホワイトハウスのバートン副報道官は、２１日の記者会見で、人民元改革について「実行がむしろ重要」との立場を鮮明にした上で、今週末、カナダで開かれるＧ２０サミットでは、この問題も議題の１つとなり得るとの見通しを示しました。
中国がようやく人民元相場の弾力化を打ち出したものの、初日はわずか０．４％の切り上げ、アメリカ議会からは、早速、「巨大なバケツへの一滴に過ぎない」との声があがり、強硬派の議員は予定通り対中制裁法案の準備を進める構えです。
アメリカ国内では、対ドルで人民元は２５％から４０％も過小評価されているとの試算が流布されていて、中国政府はせいぜい３％程度の切り上げしか容認しないだろうという市場の見方とは、依然、大きな開きがあります。
中国はＧ２０といった新しい枠組みへの関与にも極めて用心深い態度を保っていて、「中国が国内の雇用を奪っている」と主張するアメリカのいらだちは、サミット直前の弾力化の発表だけでは、なかなか収まりそうにはありません。（22日07:02）
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