イタリアのラクイラで開かれているＧ８サミットは９日、中国やインドなども参加して地球温暖化問題を協議しましが、焦点だった「温室効果ガス削減の長期目標」については具体的な数値を首脳宣言に盛り込むことができませんでした。
中国やインド、南アフリカなど新興国・発展途上国が加わった主要経済国フォーラム。温室効果ガス排出量の世界の８割を占める主要排出国の首脳たちが一堂に会しました。
首脳宣言によりますと、各国は世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前の水準から２度以内に抑えるべきだ、という認識では一致しました。
しかし、温室効果ガス削減の長期目標については、Ｇ８が主張する「２０５０年までに世界全体で５０％の削減」という目標に新興国側が反対。結局、首脳宣言では「２０５０年までに相当量を削減するという目標に取り組む」、という表記にとどまり、具体的な数値目標の盛り込みは見送られました。
「経済成長もガス排出の増加もほとんどが発展途上国から来る以上、途上国が問題解決に向け積極的に参加することは必要不可欠です」（オバマ大統領）
オバマ大統領は会見で、新興国側の理解を改めて求めましたが、まず先進国が温暖化防止に向けて努力する責任があると新興国側は譲りませんでした。
サミットの場でも先進国と新興国の溝は埋まらず、あと半年を切ったポスト京都議定書に向けた道のりは、一層険しくなったと言えます。（10日11:32）
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